放送内容の要約
転職先での2週目を終えたエンジニアのNASA氏が、精密測定機器の基幹部品となる「セラミックス」の製造現場で実際に手を動かした体験と、そこから得た気づきについて語っています。
1. 現場実習:セラミックスができるまで
今週は、精密測定機器の土台や部品に使われるセラミックスの製造工程を一通り体験しました 。
- 原料の調製: セラミックスの粉末に水や添加剤を混ぜ、「スラリー(泥状の液体)」を作ります 。これを乾燥させて「顆粒(粒状の粉)」にする工程から学びました 。
- 成形と焼成: 顆粒を金型に入れ、プレス機で形を作ります 。その後、高温の炉で焼く「焼成」工程に入りますが、ここで製品は元のサイズから約20%も収縮します 。この収縮を見越した設計の難しさを実感しました 。
- 仕上げ: 焼き上がったセラミックスは非常に硬いため、ダイヤモンドの工具を使った「研削(削り)」によって、ミクロン単位の精密な寸法に仕上げていきます 。
2. セラミックスが選ばれる理由
なぜ精密測定機器にセラミックスが使われるのか、その理由を再確認しました。
- 高い安定性: 金属に比べて熱による膨張が非常に少なく、経時変化もほとんどありません 。
- 究極の精度: 温度変化に左右されず、常に一定の寸法を保つ必要がある「測定機」にとって、セラミックスは理想的な素材であることを現場の視点から理解しました 。
3. 現場体験から見えた「DX」の課題
実際に泥にまみれ、粉にまみれて作業をすることで、自身のミッションである「データ活用」の難しさを痛感しました。
- デジタル化の壁: 一見アナログで泥臭い作業の連続ですが、そこには職人の感覚や長年の経験が詰まっています 。
- 真のデータ活用とは: 現場を知らずに数字だけを見てシステムを組もうとしても、決してうまくいきません 。この「一筋縄ではいかない工程」をいかにして数値化し、価値ある情報へと「翻訳」していくか、改めて覚悟が決まった1週間となりました 。
キーワード
- セラミックス製造: スラリー、顆粒、プレス成形
- 焼成と収縮: 約20%の縮みを計算する技術
- 研削加工: ダイヤモンド工具による精密仕上げ
- 熱膨張率: 精密測定機における素材選定の要
- 現場実習: 40代からの「泥臭い」リスキリング
- DXのリアリティ: 数値化が困難な「職人の知恵」との対峙