コラム

生成AIを特許翻訳に活用してみました

お盆休みが終わってしまいますね。
特に予定はしていなかったのですが、
お盆休みに入る直前の夜に特許翻訳の打診がありまして、
急遽、受注することにしました。

今はほとんど勤務先の仕事にほとんどのリソースを投入しており、
この休みも、そこに充てる予定だったのですが、
PCの新調や、データサイエンスの勉強代金が欲しいこともあって
受注した次第対です。

それに、翻訳をやりたい気持ちがあったこともあり受注したのですが、
折角なので、生成AIをガッツリ使って翻訳してみようと思い、
普段の翻訳作業とは、多少異なる方法というか手順でやりました。

今回の記事は、その簡単な記録となります。

早速ですが、私の翻訳スタイルはツールをガッツリ使っていきます。
メインツールは「PAT-Transer V14|ダウンロード版」で、これは外せません。
あとは、何かしらの自動翻訳(AI翻訳)と電子辞書。
最後の仕上げでは、CATツール(memo-Q)→全然使いこなしていません。。。
こんなところでしょうか。

他にもいろいろ使っていますが、補助的なものなので割愛します。

今回は、ここに生成AIを使うこととしたのですが、
皆さんはどのように使っているのでしょうかね??

ただ、翻訳するだけなら特許専用エンジンを備えた自動翻訳の方が
断然良い仕事をするはずです。

と言うことで、ただ翻訳するだけならなぁ、、、、と思いつつも
正直、こうしてみようといった計画が最初からあったわけではなく、
翻訳しながら見つけていこうということで、
見切り発車で翻訳を開始した次第です。

ちなみに、今回使った生成AIは、
ChatGPT 4o(課金中)
Gemini Advanced(1ヶ月無料体験中)
の2つです。

なお、この2つは、入力履歴が残らないようにして使いました。

とりあえず始めにやったことと言えば
特許明細書の「要約」を行いました。
内容把握のためですね。

ここはさすがというか、
個人的には、特許に書かれている【要約】よりは、
しっかりと伝えてくれるので助かりました。

次は、頻出用語とか、共起ネットワークなども抽出しようとも思いましたが、
とりあえず、いつものようにテキストマイニングツールで
済ましてしまったので、ここはパス。
たぶん、生成AIでもできるはずですけどね。

あ、すみません。頻出用語ではないですが、
「重要用語」のピックアップはやりましたね。
意外と良かった気がします。

このあたりは、最初にササっとやってしまうのですが、
他に思いつくのは、
・訳文の出力してみたり、
・技術的に分からないことを聞いてみたり
と、ありきたりなものばかり、、、、
(それでも便利ではあるとは思います)

そこで、ふと思ったんですが、
あまり難しく考えずに、
・今やろうとしていること
・やってほしいこと、サポートしてほしいこと
・この案件で注意すべきこと
・翻訳する上で知りたいこと
などを、とりあえず言葉にしてみて、
生成AIに投げかけてみようと。

翻訳の始めの段階では、
少しずつ言葉にして、
「へ~」と感心しながら
ところどころで生成AIを使っていました。

ですが、よく分からない英文にぶち当たってから、
(原文ドイツ語→英語翻訳→日本語翻訳って苦労しますよね!?)
生成AIに手助けを求めて、
「いや~助かるわ~」
と感心してからというもの、
「これと、あれと、これも最初から聞いてしまおうかな?」
「それじゃ、これも追加してみて」
「あと、これも」
なんて、少しずつプロンプトが長~くなっていきました。

最終的には、
テンプレートに英文を組み込むような感じで、
直ぐコピペできるように
コピペ専用ファイルを作って
ひたすら生成AIに投げ掛け続けることに、、、

具体的なプロンプトは割愛しますが、
どんな状況で翻訳をしていたかと言うと、
1)PatTranserのルールベース機械翻訳の機能を大いに使って、
・品詞の特定
・用語の統一
・文構造の把握
をシステム的にも意識的にも留意しながら翻訳文を翻訳メモリ化するのと同時に、
2)テンプレート化したプロンプトに英文を組み込んだものを一文ずつ準備して、
・翻訳文
・技術的・特許的要素を含んだ説明
・重要語句の説明
を、あたかも英文解釈の参考書の如く出力されたものを参考にしながら翻訳しました。

ざっくり言うと、
訳語、英文法、英語構文のフォローは、PatTranserで行い、
英文解釈、技術解釈、特許的解釈のフォローは、生成AIで行い、
翻訳文の補完的フォローは、自動翻訳で行う
(自動翻訳の出力文はPatTranserに予め組み込んでいます)
こんな感じでしょうか。

ハッキリ言って、生成AIって使えますね!
もちろん変な情報を出力することは、大いにあると思いますが、
それでも使う価値はあると思います。

ちなみに、個人的には、ChatGPTよりGeminiの方が好みですね。
あと、PCを新調すると言いましたが、
Chat with RTX が動作するPCを購入しようと目論んでいます(高いけど、、、)。

とりあえず、今回はじめて、翻訳で生成AIをガッツリ使ってみましたが、
なかなか良い経験をさせていただきました。
まだまだ改善の余地はあるかと思いますが、
翻訳に限らず、データサイエンス関連でも
十二分に活用できようになっていきたいと思います!

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