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書籍レビュー:次世代医療AI -生体信号を介した人とAIの融合-

書籍について

コロナ社から出版されている書籍「次世代医療AI -生体信号を介した人とAIの融合-」(コロナ社リンクのレビュー記事になります。実は、コロナ社で本書のブックレビュー(読者モニター)を募集していまして、それに応募したところ当選しました。そこで、簡単にですが、本書籍の紹介をしたいと思います。

(Amazonへのリンクとなります)


次世代医療AI – 生体信号を介した人とAIの融合 – (計測・制御セレクションシリーズ 1)

書籍の背景

めまぐるしく技術動向が変化する時代に活躍する技術者・研究者・学生の助けとなる書籍をタイムリーに提供することを方針としている計測・制御セレクションシリーズの一冊。現在、次々と新しい概念・理論・技術が発表され、その核心を理解するのに多大な努力を必要とし、各技術分野がそれだけで閉じることなく、横断的に発展・連携・融合して、新たな分野へ多種多様な展開を見せています。そのような中で、計測、制御、システム・情報、システムインテグレーション、ライフエンジニアリングに関わる技術テーマをタイムリーに収録していこうというのが本作品の背景にあるとのこと。

書籍の概要

本書は、医療と人工知能(AI)に関することがまとめられ、特に、生体信号とAIの融合に関することがまとめられています。読者としては、工学・情報学系、医学系の大学院生や研究者を想定しており、分野の垣根を越えて医療AI開発に必要な知識を習得できるように構成されています。具体的には、生体の構造・機能、生体センシング、信号処理、機械学習、さらには法律・倫理・薬事までと幅広いテーマを掲載しています。

書籍の特徴

医療へのAI活用は、コンピュータ断層撮影や核磁気共鳴画像法などの画像診断(画像処理技術)が特に進んでおり、自然言語で記述されたカルテデータ(自然言語処理技術)や、心電図や脳波などの生体信号(信号処理技術)に対する活用も進んでいるようです。その中でも、本書は、他に類書がない生体信号に焦点を当てたものとなっています。

そして、何と言っても、工学・情報・医学の垣根を越えて、生体信号とAIとの関わり合い方を理解・活用するのに必要な項目を網羅しているところに特徴がありそうです。また、技術的な話だけではなく、実際の応用事例や法的な問題、さらに倫理・薬事までも取り上げられているところがさらなる特徴を漂わせています。

私が思う本書籍の魅力

特許翻訳にも言えることですが、さまざまな分野の技術が関わり合って、一つの特許明細書を構成しているものが多々あります。1つの分野を理解するだけでは、翻訳が難しいのが現状です。医療に関するAIの活用もさまざまな分野が関わり合っているようです。そのような複合的な技術を学ぶにあたって、あるテーマを軸として(本書は医療AI)、横断的に基本的な項目を知り得る本書は、魅力的に映るのではないでしょうか。また、各技術が、どのように絡み合って、実社会に展開されているのか、本書1冊で見渡せるのも魅力の1つではないかと思います。

尚、本書のレビュー動画も作成しました。合わせてご覧下さい。

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