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英語

英語実力チェックその2_「英文特許明細書和訳 誤訳事例」より

英語実力チェックその2です。

サンフレアアカデミーの「英文特許明細書和訳 誤訳事例:第2回:■構文解釈篇②」になります。

原文は「US20100023627A1」の[0007]
翻訳文は「JP5761901」の【0007】
を参照願います。

さて、今回の英文と誤訳例ですが、

【英文】
It describes several solutions which have major disadvantages, and a recommended solution.
【誤訳例】
それには、大きな欠点および推奨される解決策を有するいくつかの解決策が記載されている。

となります。

「have」の目的語はどこまで?といったことや、「and」がどうむすばれるか?といったところがポイントだと思うのですが、「解決策を有する解決策」と訳した時点で違和感を覚えます。

この文だけでは何を言っているのかよくわからないので、「US20100023627A1」[0001]から[0008]までを訳してみます。

[0001]
The present invention relates to the setup and control of calls set up between two communication devices, by a third communication network device.
訳文:本発明は、第3の通信ネットワークデバイスによる2つの通信デバイス間に設定された呼の設定および制御に関する。

[0002]
Such a problem is known to professionals by the acronym 3PCC (Third-party Call Control).
訳文:かかる問題は、頭字語3PCC(Third-party Call Control:サードパーティ呼制御)によって、専門家に知られている。

It is illustrated in FIG. 1, in which a network device C wishes to trigger the setup of a communication session (or call) between two other devices, A and B.
訳文:それは図1に示されており、そこでは、ネットワーク装置Cによって、2つの他のデバイス、AとBの間に通信セッション(または呼)の設定を起動させることが求められている。

これは、例えば電話Aと電話Bがあって、電話するためには装置Cを起動させる必要があるということだと思います。

This triggering may itself have been caused by a stimulus received by the network device C, which may be of a different kind.
訳文:このトリガーは、ネットワークデバイスCによって受信した刺激によってそれ自体に生じ得て、ネットワークデバイスCは種類が異なることもあり得る。

「刺激」と訳しましたが、少々自信なし。「ネットワークデバイスCは種類が異なる」とは、例えば、AとBは電話だとしても、Cはサーバーである場合があるということと思います。

[0003]
In modern communication networks, the communication sessions (multimedia or otherwise) are set up by exchanging signaling messages, in particular compliant with the SIP protocol.
訳文:現代の通信ネットワークでは、通信セッション(マルチメディアまたはそれ以外)は、特にSIPプロトコルに準拠した信号メッセージを交換することによって設定される。

「SIP」を調べてみましたが、IPネットワーク上で双方向の音声やビデオを確立するプロトコルで、つまり、インターネット上でリアルタイムコミュニケーションを実現する技術とのことです。

This protocol is specified by RFC 3261 of the IETF entitled “Session Initiation Protocol”.
訳文:このプロトコルは、「セッション確立プロトコル」と称されるIETFのRFC3261によって指定されている。

[0004]
It is known by professionals to implement the third-party call control (3PCC) on a communication network using the SIP protocol.
訳文:SIPプロトコルを用いて通信ネットワーク上のサードパーティ呼制御(3PCC)を実行することは、専門家に知られている。

[0005]
The US patent request 2006/0210036 presents such a call control (3PCC).
訳文:米国特許出願公開第2006/0210036号明細書は、そのような呼制御(3PCC)を提示している。

This is however fairly basic and only allows the call to be triggered.
訳文:しかしながら、これは相当に基本的なものであり、呼が起動できるだけである。

ちなみに「呼」とは、「電話をかけたり受けたりすること」です。

Once the communication is set up, control of the call is not possible for the initiator, who can no longer modify it nor end it.
訳文:一旦通信が設定されると、呼の制御は発信者には不可能であり、発信者はもはやそれを変更することも終えることもできない。

Nor can the initiator obtain information on the communication status (in other words be informed of when it ends, its duration, etc.).
訳文:また、発信者は、通信状態に関する情報(すなわち、それがいつ終了するのか、その所要時間などの通知)を得ることができない。

[0006]
This solution also no longer corresponds to the third party call control as defined by RFC 3725.
訳文:この解決には、RFC3725に定められるように、もはやサードバーティ呼制御も対応していない。

[0007]
This RFC 3725 of the IETF is entitled “Best Current Practices for Third Party Call Control (3pcc) in the Session Initiation Protocol (SIP)”.
訳文:このIETFのRFC3725は、「セッション確立プロトコル(SIP)におけるサードパーティ呼制御(3pcc)の現行のベストプラクティス」と称されている。

次の文が今回の問題文です。

It describes several solutions which have major disadvantages, and a recommended solution.
訳文:それには、大きな欠点および推奨される解決策を有するいくつかの解決策が記載されている。

「それには」とは「IETFのRFC3725」のようですね。その中に解決策が記載されているのでしょう。

[0008]
However, this recommended solution also has significant disadvantages.
訳文:しかしながら、この推奨の解決策は、著しい欠点も有する。

この文でわかりますね。「だけど、推奨の解決策は欠点もありますよ」といっているので、前文で「欠点は存在しない」みたいな文があるはずです。
となれば、「欠点のあるモノ」と「良いモノ」があるけど、実は「良いモノ」にも欠点がありますよ!といった流れになると思われます。

ゆえに翻訳案としましては、

It describes several solutions which have major disadvantages, and a recommended solution.
翻訳案:それには、大きな欠点を有するいくつかの解決策、および推奨の解決策が記載されている。

となるのではないでしょうか。

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